based of physical therapist

10年目の理学療法士による考えや日頃の気づきなど

介護保険のあり方

 

今回は介護保険のあり方についてです.

 

 

この記事は介護事業所で働いている人にぜひご一読いただきたい内容です.

 

 

 

本記事を書くにあたり下記の書籍を参考にしました.

 

 

賛否両論はありますが,介護業界で働く人にはオススメの書籍です.

 

 

 

 

 

この介護保険の理念や介護保険の意義を理解していないと,これからの介護事業所や介護士・ヘルパー・各施設で働くコメディカルには未来がないでしょう.

 

 

今回は介護保険における自立支援に着目して書いていきます.

 

 

介護保険の目的

 

 介護保険法は、加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指しています。この実現のため、必要な保健・医療サービス及び福祉サービスが給付されます。この介護保険制度は、社会保険制度の一つであり、国民の保健医療の向上および福祉の増進を図ることが目的となっています。

 

 「介護が必要になる」のは限られた人だけでなく、誰にでもその可能性があります。
自分らしい生活・自立した生活ができるように、そして利用者が自分に合ったサービスを選択することを基本としています。」

 

 

というように記載されています.

 

 

簡単に説明すると,誰でも介護が必要になるので介護保険でサポートを行いつつ自立した生活ができるようにしましょうということです.

 

 

介護保険は加齢に伴った症状にも使用できることが書かれています.

 

 

目的はだいたいこんな感じです.続いては理念についてです.

 

 

 介護保険の理念

 

1 自己決定の尊重行政や専門職は、高齢者本人の決定を情報提供やサービス給付で支援しますが、決定権はあくまで本人にあるとする考え方です。

 

2 生活の継続今までと同じ生活を継続できるように支援体制をつくることが重要であるとする考え方です。在宅での生活が最も望ましいのですが、施設に入所する場合でも可能な限り家具などの持ち込みを行うことにより、これまでの生活の継続性に留意する必要があります。

 

3 自立支援(残存能力の活用)高齢者の障害や疾病というマイナス面に着目するのではなく、残存能力の活用を支援し、自立した生活が送れるようにする考え方です。

 

4 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努める

 

 

もっと細かくあると思いますが,大まかにはこの4点になると思います.

 

 

・どの介護サービスを活用するかは本人が決めることができる

・現状の生活を維持するために支援する

・残っている機能を重視する

・自ら予防することを心がける

 

特に4つ目が重要です.

 

 

本人の意思で決めることや生活を維持するというのはわかりますが,利用者本人も悪化しないように心がけること

 

 

この利用者の意識が欠けていることが多々あります.

 

 

これらを踏まえて実際の介護保険のあり方を説明していきます.

 

 

 

介護保険のあり方

 

 

自立支援においては,利用者のQOL(生活の質)を上げるために介護保険を使うのではないです!!

 

 

自立した生活を送るために介護保険を使うことを忘れないようにしてください.

 

 

QOLの向上のために,介護保険を使ってしまっては,ヘルパーや介護士は利用者の召使いに成り下がってしまいます.

 

 

目的は『自立の支援』であることを忘れないようにしてください.

 

 

介護保険の利用にあたっては,専門職や行政スタッフが提案はするが,決定権は本人にあります.

 

 

しかし,利用者が自分にあった施設がどこかということはわかりません.

 

 

ですので,ある程度はよく知ったスタッフが提案してあげることが重要になってきます.

 

 

不要なサービスを提案したり,そのまま受け入れることはわがままな利用者が増えていくだけになります.

 

 

この介護保険の目的を見失うことなく,サービスを提供することを意識してください.

 

 

介護現場で働く方へ

 

最後に介護保険業界で働く方へ

 

 

先ほども書いたように

 

 

介護保険の目的『自立の支援』を意識すること

 

 

それぞれの職種が利用者の目的達成のために,何ができるかを常に考えて,サービスを提供すること.

 

 

そして利用者に自立させること.

 

 

これができれば,国からの需要が増え介護業界の3Kから脱却できると思います.

 

 

逆にこれができないと,いつまで経っても介護業界は変わることがないでしょう.

 

 

これからの介護業界がどうなっていくかは,今働いている人たちにかかっています.

 

 

介護の未来を変えるためには,働く人たちの意識改革・利用者の意識改革とやるべきことは多々あります.

 

 

小さなことしかできないと思いますが,できることをやっていけば介護業界は明るくなると思います.

 

 

1人でも多くの元気な高齢者・介護業界に少しでも明るい未来を皆さんの手で作っていきましょう.

 

 

以上今回は介護保険のあり方についてでした.